2/04/2009

CACHE/HIDDEN/隠された記憶


ミヒャエル・ハネケ。。この人の作品で見たことがあるのは「ピアニスト」だけだった。極度の性癖をもった女性のはなしで、気持ち悪いという印象が先立って好きになれなかった映画だけど、たしかに頭から離れない映画だ。この人、哲学や心理学を学んでいたというだけあって、うまいこと視聴者の心理を操り、ふかーいところまで考え込ませる。このHiddenもそう。テーマは誰もが抱える過去に犯した罪への意識。この映画のこのテーマについて話しだすと、だらだらと続いてしかも結局まとまった結論がでなそうだ。最初これを見たあとはなんだかイラッとした。たしかに最後のシーンは衝撃的だったけど、結局隠れてビデオを撮っていた犯人がわからない。でもハネケいわく犯人探しがこの映画のテーマではない、つまり犯人は誰でもいい、むしろ、いない。想像はできるけど結局おちつかない。そんなこんなでいろいろ考えをめぐらせるから、映画を見終わってもだまりこくって時間を過ごしてしまう。この映画、いっさい音楽をつかっていなくて、なんともないような日常の風景が意味もなさげに、というか無駄なようにさえ流れてくる。それなのに、見ているこっちとしては犯人をつきとめようとやっきになるから目が離せなくなる。不思議だ。。こういう映画をつくる人がいるというのにはほんとうにビックリする。そのへんの心理学者なんかよりよっぽど頭がいいんじゃないかと思う。騙されたような、試されてるような気分になって最初はイライラするけど、やっぱり頭から離れないこの印象の強さを与えてしまう彼には心底感心するし、感謝さえしたくなる。とにかくヘビーな映画だ。